落ち葉を掻き分けたり、倒木をひっくり返したりしたら、元の状態に戻しておくこともマナーであり、ルールだ。そのままにしてしまうと環境が変わって翌年キノコが出なくなり、生態系が狂ってしまうことにもなりかねない。

 気軽な「レジャー」としてとらえられることも多いキノコ狩り。服装にも注意が必要だ。

「まず、山に入る際の服装は、長袖・長ズボンがよいでしょう。虫に刺されたり、ある種の植物によりかぶれたり、トゲで負傷したりすることを防いでくれます。足元は歩きやすいスニーカーや登山靴を着用するようにしましょう。帽子や軍手もあるとよいでしょう」

触っただけで毒が皮膚から浸透…?
正しい情報と冷静な判断を

 触っただけでかぶれたり、毒が皮膚から浸透してしまったりするといわれている「カエンタケ」のような毒キノコもある。

 折原さんによると「確かにカエンタケには皮膚浸透性の毒成分が含まれますが、実際には手で触った程度で中毒症状が出るわけではありません。しかし、極めて強い毒成分が含まれることは事実なので、決して口にしないなど、正しく恐れることが重要です」とのこと。

 出回っている情報が本当に正しいものなのか、冷静に判断することが必要だ。

 キノコ狩りは自然と触れ合い、かつ食欲を満たす魅力的なレジャーだが、毒キノコのリスクは決して無視できない。迷信を信じたり、独りよがりの判断で食べたりすれば命を落とすことにもなりかねない。

 大切なのは、まず観察から始めること、ひとりで判断しないこと、迷ったら食べないこと。基本を守って楽しみたい。