
闇バイトによる強盗被害も多数報告され、防犯に対する意識が高まっている昨今。犯人は一体どのように家に押し入ってくるのか。現役の警察官に、狙われやすい家の特徴を聞いた。あなたの家はしっかり防犯対策ができているだろうか。(取材・文/フリーライター 杉山正博)
「空き巣」だけではない
さまざまな侵入の手口
「防犯対策とは、泥棒などの侵入者に対して嫌がらせをすることです。『この家は入りづらいな』『失敗して捕まる危険性が高いな』と思わせて、“泥棒に選ばれない家”を目指しましょう」
そう話すのは、愛知県警察本部生活安全総務課の山田幸司警部だ。防犯対策を考える際にまず重要なのは「敵を知る」ことだという。犯人は「いつ・どこから・どんな手口で」侵入してくるのだろうか。まずは、警察が持つリアルな犯罪データから、その実態に迫る。
「泥棒」「強盗」と聞くと、多くの人が住人の留守を狙う「空き巣」をイメージするだろう。しかし、手口はそれだけではない。
「住宅の侵入窃盗には、空き巣のほかに、夜間に住人が寝ている頃を見はからって侵入する『忍込み』、そして日中、住人が在宅しているにもかかわらず侵入する『居空き(いあき)』があります。愛知県下の住宅を対象とした侵入盗のデータでは、空き巣が74.1%、忍込みが21.4%、居空きが4.5%となっており、在宅中でも犯罪は発生しているのです」(山田警部)
特に、近年の闇バイトを使った凶悪な強盗事件では、犯人らは住人が在宅していてもお構いなしで押し入ってくる。もはや、「家にいるから鍵はかけなくても大丈夫」という考えは通用しない時代なのだ。
