「毒キノコに共通する特徴はないので、基本的には一種一種覚えていくしかありません。食用キノコを覚える前に、まず猛毒キノコのそれぞれの特徴を覚えることが重要です。猛毒キノコは国内ではせいぜい20種類くらいなので、覚えられる範囲です」

 折原さんに、国内の代表的な猛毒キノコを挙げてもらった。ネットや図鑑でビジュアルを調べておきたい。

アケボノドクツルタケ

カエンタケ

クリイロカラカサタケ

クロタマゴテングタケ

コレラタケ

シャグマアミガサタケ

シロタマゴテングタケ

ジンガサドクフウセンタケ

スギヒラタケ

タマゴタケモドキ

タマゴテングタケ

タマシロオニタケ

ツルタケダマシ

ドクササコ

ドクツルタケ

ナミコブシトネタケ

ニガクリタケ

ヒメアジロガサ

フクロツルタケ(広義)

ミカワクロアミアシイグチ

 これらは代表的な猛毒キノコの一部で、分布は地域や気候帯によって異なる。また、毒性の強さや「猛毒」とされるかどうかは専門家によって見解が分かれることがあるため、実際の観察時には、出かける先に応じて図鑑や観察会の情報を確認したい。

「そのほかに、初心者でも見分けられる毒キノコがあります。テングダケ属といって、毒キノコが多いグループがあります。これは根元に『ツボ』という外皮膜があるのが特徴です。十分な知識がない限り、基本的にツボがあるものは食べないようにしてください」

 ただし先述のように、正確な知識を得るには、ベテランの人や専門家と一緒に野山に出かけ、フィールドワークを重ねることが重要だ。

「キノコ狩り」で守りたいマナーとルール
採取が法律違反となる場所も

 自然の中で家族や仲間と宝探しをするようなワクワク感も、キノコ狩りの魅力だ。実際にキノコ狩りに出かけるとき、これだけは守りたいマナーとルールについても聞いた。

「まず、国立公園・国定公園内でも採取が禁じられているエリア(特別保護地区など)があります。そのようなエリアでの採取は法律違反となる場合があります。その他、条例などで採取が禁止されている地域や、立ち入りが禁止されている私有地などもあります。採取可能な場所でも自然環境への配慮を忘れず、必要以上に持ち帰らないことがマナーです」