椅子をソファにしたり、テーブルを低いタイプにして「内職」をしにくくしたり、全員の顔を見えやすくして目線をあげてもらったり、リラックスした雰囲気を促すのにお菓子を用意したり……。

 最初はぎこちない空気が流れるでしょうが、そもそも、お互いをよく知らない「フォーミング」なのだから気にすることはありません。コミュニケーションの量が増えお互いのことが徐々にわかってくれば、「気まずさ」も薄まることでしょう。

『宇宙兄弟』のエディ・Jも
メンバーが語り合う場を設けた

『宇宙兄弟』では、月面ミッションに向けて結成された六太のチーム「ジョーカズ」がキャンプ訓練に入った際、キャプテンのエディは全員で焚火を囲み、ひとりずつ自分自身のことを話す機会をつくっていました。

 このとき六太は、弟の日々人がパニック障害と闘っていることをメンバーに打ち明けていますし、女性宇宙飛行士のベティ・レインは、宇宙飛行士だった夫を帰還船の墜落事故で亡くし、息子のため、自分が夫の代わりに月へ行くのだと語っています。

 大自然のなかで焚火を囲みながらのミーティングは、メンバーがリラックスして話せる最高のシチュエーションです。おそらくエディは、こうした場づくりも得意なのでしょう。

 ちなみに、どうしても苦戦するようならば、話すテーマを提供してくれるカード『シャベリカ/宇宙兄弟エディション』を使ってみるのもおすすめです。

 カードには『宇宙兄弟』のシーンと共に、「食べたことがなくて食べてみたいもの」「見ると思わず笑顔になってしまうもの」「一度でいいからやってみたい贅沢」「地球最後の日、どこで誰と何をする?」といった、日常ではなかなか話す機会のない、さまざまなトークテーマが書かれています。

 仕事の話から広げようとすると、どうしても硬くなりがちですが、こうしたゲーム要素を上手に利用すれば、お互いのことを自然と理解していくことができます。