チームの力を最大限に引き出す方法(c)小山宙哉/講談社

「時間が足りない」「人手がない」「予算もない」。そんな制約だらけの状況でも、チームの力を最大限に引き出す方法はある。『宇宙兄弟』のカリスマ宇宙飛行士エディ・Jは、この制約を武器にして見事にチームを導いていた。マイナスをプラスに変える、驚きのチームビルディングの手法とは?※本稿は、長尾 彰『宇宙兄弟「制約主導」のチームワークで、仕事が面白くなる!チームの話』(Gakken)の一部を抜粋・編集したものです。

納期や予算はただの制約ではなく
チームが成長する起爆剤

 僕たちは、日々、さまざまな制約のなかで仕事をしています。納期や予算、商品の仕様・規定といった直接的なものから、職場環境、人間関係などの間接的なものまで、その存在は当たり前すぎて、わざわざ制約だと認識する機会すらないのではないでしょうか。

 それでも無意識のうちに、こうした制約に対して「妨げや壁となるもの」というネガティブなイメージを抱いている人は多いと思います。

「納期に間に合わせるために、○○は諦めよう」
「予算があるから、○○はできない」
「そういう規定だから、仕方ない」
「今のメンバーでは、これが限界だ」

 どれも割とよく耳にする言葉ですね。共通しているのは、「できない要因」として制約が立ちはだかっているという点です。制約があるから、制約が多すぎるから、チームがうまく機能せずに苦しんでいる。制約さえなければ、もっとよくなるのに――そう感じる気持ちも理解できます。

 ですが、もしあなたがチームの成長を望んでいるのなら、ちょっと視点を変えてみてください。チームビルディングにおいて、制約は排除すべきものではなく、「チームが成長するチャンス」です。