カフェメニューはコーヒー600円からで、初回入場料を支払うと1年間有効の「定期券」がもらえて、以降は無料で入れる。飲食店が多くはない地域だけに、そんな使い方もアリかもしれない。

先頭車両の「FUTURE BIRD」は
20分間の「没入体験」エリアに

 さて最後に、冒頭写真の車両「FUTURE BIRD」について触れておこう。こちらは乗車型アートコンテンツのシアターとなる車両で、コース料理と一体の「フューチャーイマジネーションコース」で体験できる。

えっ、本物なの!?宙に浮かぶ「ピンクの列車」で味わう、京都のグルメ体験が想像の斜め上だった夜FUTURE BIRD(筆者撮影)

 つまり車内は完全に改造されており、細長い空間以外に鉄道車両の面影は一切ない。前面、側面、天井にモニターが設置され、20分間の「没入体験」ができる。コンテンツは正直なところ筆者には刺さらなかったが、照明と音響設備はさまざまな使い方ができそうだ。

書影『JR東日本 脱・鉄道の成長戦略』(河出書房新社)本連載の著者・枝久保達也さんの『JR東日本 脱・鉄道の成長戦略』(河出書房新社)が好評発売中です。

 FUTURE TRAINは総じて言えば、かなりのキワモノである。存在感は抜群だが、京都鉄博、京都水族館を訪れるファミリー向けの施設とは言い難く、どのような客層に、どのように受容されるのかが気になるところだ。それでも屋台村のような無難な形ではなく、かなり攻めた施設にした意欲は買いたい。再び梅小路を訪れた際は、いち利用者として様子を見に行きたい。