米国の地方銀行の融資ポートフォリオに予想外の損失が潜んでいる可能性への懸念から、16日の株価と米国債利回りが下落した。KBWナスダック地方銀行株指数は6%余り下落し、4月の関税による混乱以降で最悪の下げとなった。地銀大手ザイオンズ・バンコープが15日遅く、法的措置に直面している借り手による2件のローンをカバーするため5000万ドル(約75億6000万円)の貸倒償却を計上したと明らかにしたことを受けたもの。またウェスタン・アライアンスは16日、借り手の1社が詐欺行為をしたとして8月にこの企業を相手取り訴訟を起こしたと明らかにした。これらの報告によって、堅調な信用市場が弱点や過剰な部分を隠している可能性があるとの懸念が高まった。JPモルガン・チェースが今週、詐欺の疑いで捜査されている自動車ローン会社トライカラーの経営破綻に関連して1億7000万ドルの損失を14日に報告した後、ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は「ゴキブリを1匹見つけたら、おそらくもっといるだろう」と投資家に語った。
米地銀巡る懸念、株価圧迫
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