日々の習慣づけで
疲労を溜めない体づくりを

「基本のキ」となるいくつかの方法をここで紹介していきましょう。

(1)ストレッチを行う
[方法]運動後や就寝前に、15~30秒程度の静的ストレッチを行う
[効果]血流を促進し、老廃物の排出を助ける

(2)軽い運動を取り入れる(アクティブレスト)
[方法]ジョギングやウォーキングを短時間(10~20分)行う
[効果]血流を促進し、疲労物質除去をサポート

(3)温熱療法(入浴など)を活用する
[方法]38~40℃程度のお湯に10~15分浸かる
[効果]リラックス効果を高め、睡眠の質を向上させる

(4)マッサージやフォームローラーを使う
[方法]自宅でフォームローラーを使う。専門家のマッサージを受ける
[効果]コリをほぐして、筋肉痛を軽減する

(5)良質な睡眠を確保する
[方法]就寝1時間前からスマホやパソコンの操作を控え、部屋の明るさを控えめにして静かな環境を整える
[効果]疲労回復が早まり免疫力を高める

(6)栄養と水分補給を意識する
[方法]適量のたんぱく質(肉・魚・大豆製品など)と炭水化物をとる。水分や電解質を意識的に補給する
[効果]筋肉の再合成や疲労物質の排出を効率化する

(7)適度なアイシング(冷却)を取り入れる
[方法]運動直後や痛みがある部分に冷却パックを10分程度あてる
[効果]急性の炎症や腫れを軽減し、回復を促す

 これらの方法を組み合わせながら、自分に合ったペースで取り入れていくことで、身体的疲労を効果的に回復させることができます。

運動不足の40~50代は
高齢者に片足を突っ込んだ状態

 運動量がどんどん減りつつある現代人は、慢性的な筋力不足に陥っており、フレイルになりやすくなっています。

 フレイルとは、加齢によって心身の機能が低下し、元気を維持する力が弱くなった状態のことです。フレイルになると、休息云々以前に、健康状態を取り戻すことがなにより優先されます。

 フレイルは基本的に高齢者を対象とした概念なので、「自分には無関係」と思っている読者がいるかもしれませんが、とんでもありません。前述のように、現代人の運動量や筋肉量は著しく落ちています。

 40~50代はすでに、フレイルの前々段階くらいに突入していると考えていいのです。

 早期にフレイルにならないためにも、今のうちから予防に努めるのはマストといえます。身体能力をできるだけ高めておいて、疲れにくい体、回復しやすい体をつくるに越したことはありません。

 健康長寿を実現するために、10年以上先を見据えて対策を立てることは、いいこと尽くめといえるのです。