たくさん寝ているはずなのに、なぜか疲れが取れない写真はイメージです Photo:PIXTA

たくさん寝ているはずなのに、なぜか疲れが取れない…。それは、休息では取れない「疲れ」を抱えているからだ。「朝からダルい、重い」といった疲労の正体を、延べ50万人以上の患者を診てきた脳神経外科の医師が明かす。※本稿は、菅原道仁『働きすぎで休むのが下手な人のための 休息する技術』(アスコム)の一部を抜粋・編集したものです。

疲れには「体の疲れ」と
「脳の疲れ」がある

 みなさんはどんなときに「疲れた」と感じますか。

 例えば、(できるかどうかは別にして)フルマラソンを走り終えたあとは、誰もが「疲れた」と感じるはずです。外回りの仕事で、一日中歩き続けた日の終業時には「疲れた」という言葉がポロッと漏れるのではないでしょうか。

 そのほか、どんなことを行った場合でも、体をたくさん動かしたあとは「疲れた」と感じることが多いと思います。関節や筋肉に、痛みや張りを覚えることも当然あるでしょう。体を酷使すれば、「疲れた」と感じるのは当たり前のことです。

 これらは、肉体的な疲れ=「体の疲れ」ということができます。

 では、体をたくさん動かさなければ「疲れた」と感じることはないか。そんなことはありません。

 長時間、デスクワークに集中したとき。気の合わない相手から興味のわかない話を聞かされ続けたとき。大勢の人前でしゃべる機会があったとき。お子さんの試合や発表会を見守ったとき。終わったあと、疲れがどっと押し寄せてきて、「あー、疲れた」と独り言をつぶやくこともきっとあるはずです。

 頭が少しクラクラしたり、呼吸が乱れたりすることも時にはあるでしょう。