他人の趣味を見下す人ほど、自分の世界の狭さに気づいていないものだ。アイドルも、アニメも、小説も――心を動かすものに貴賎はない。そんな世界の狭い他人に自分の世界を傷つけられたときおすすめなのが、日韓累計40万部を突破したベストセラー『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』(キム・ダスル著、岡崎暢子訳)だ。本記事では、ライターの有山千春氏に、「なるべく距離を置くべき人の特徴」についてご寄稿いただいた。(企画:ダイヤモンド社書籍編集局)
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「他人の趣味」を見下している
まだまだ「推し」という言葉が生まれる前のこと。
女友達がとあるアイドルグループのファンで、筆者も東京ドームのコンサートに連れていってもらったことがあった。
以来まんまとハマってしまい、ミュージックビデオを見てダンスの振りを覚えたり、それまでまったく見たことがなかったゴールデンタイムの音楽番組をチェックしたり、カラオケでたびたび歌うようになった。
そんな筆者を見て、当時の恋人が言った。
「へえー、男6人が横並びに突っ立って全員が同じ音程で歌うやつね、ハイハイ」
たいそう鼻につく言い草だが、彼はそういう人間だった。
筆者がとあるバンドが好きで曲を聴いていたら、「へえー、大学生のバンドサークルみたいだね」。
待望の実写化を果たしたアニメ映画のDVDを観ていたら、「へえー、おれこういうの無理、セリフが気持ち悪いから」。
エンタメ小説を読んでいたら、「へえー、君が好きそう」。
とにかく筆者の趣味嗜好を見下げたがった。
そして己の趣味嗜好を高尚なものにしたがった。
君がアイドルソングやJロックを聴いている間に、俺はオルガンジャズを聴くよ。
君がアニメ映画を観ている間に、俺は食肉処理場のドキュメンタリーを観るよ。
君がエンタメ小説を読んでいる間に、俺は美術館の図録でもめくろうかな。
当時はそんな彼の高尚なセンスにコンプレックスを抱き萎縮し、ストレスを蓄積させていた。
しかし、彼への情がなくなってしまえば「なんて心の貧しい人間なのだろう」と一蹴するしか選択肢のない言動だ。
他人をイラつかせる行動・ワースト3
「最高の一日が一生続く106の習慣」がつづられている『人生は「気分」が10割』の「『行動がダサい人』と距離を置く」というトピックに、こんな一文がある。
「絶対に距離を置いたほうがいい『行動がダサい人』は、こんなときに馬脚を露わす」
2.カネを出しているからと威張り散らしているとき
3.他人の好みを見下しているとき
――『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』より
まさに、彼ではないか。
他人の好みを見下す人とは一体という人かというと、「自分こそ宇宙一センスがいいと勘違いしている。自分が心酔しているジャンルやアーティストだけが素晴らしく、それ以外の大衆的なカルチャーを小バカにする」(同書より)とある。
もしかして著者のキム・ダルス氏、彼に会ったことがあるのですか!? と問いただしたいほど彼そのものだ。
そんな、単なる「行動がダサい人」と関わった結果、筆者はストレスを溜めた。
同書で書かれているように、すぐにでも距離を置くべきだった。
今後は他人の“好き”を尊重し合える人たちと、健全な人間関係を築いていこうと改めて感じたのだった。
(本稿は、『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』の発売を記念したオリジナル記事です)
メーカー広報、出版社編集者を経て2012年よりフリーライターに。主に週刊誌やWEBメディアで取材記事やインタビュー記事を執筆。昨年より高田馬場の老舗バーにてお手伝い中。



