セブン&アイののれん額
「のれん額=1兆3000億円」
2021年、セブン&アイが、時価(公正価値)1兆円だった米ガソリンスタンド併設型コンビニ大手 スピードウェイを2兆3000億円で買収したことにより計上された額である。
スピードウェイ買収以前「3498億円」だったのれん額は、一気に「1兆7416億円」に増加した。その後も増え続け、現在「2兆2644億円」となっている(25年2月期)。これは、セブン&アイの純資産(4兆2174億円)のおよそ半分に当たる。

拡大画像表示
セブン&アイのデイカス社長は、今後さらに、設備投資やM&A(買収・合併)に対し3兆円を投じるとしている。IFRS基準の採用(※)は、短期的には有利に働く。だが、価値が低下したときは、のれんが一気に費用化(減損)される。ダメージは小さくないはずだ。
※IFRS基準への切り替えは2028年を目標としている
果たして、セブン&アイは、のれん価値の検証(減損テスト)を適正に行うことができるか。「価値が低下したとわかったとき」に、ただちに公表し、適正に処理できるだろうか。東芝の二の舞いになることだけは避けていただきたいと思う。