米オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)を「考えが小さい」と非難する人はいないだろう。同氏はかつて、人工知能(AI)の将来的な電力源として、太陽の周りに太陽光発電システムを設置することを提案したほどの人物だ。オープンAIが将来の顧客ニーズに合わせたカスタムチップを製造するためにブロードコムと締結した新たな契約は、奇想天外とまではいかなくても、大胆であることは確かだ。アルトマン氏は、消費者が求めるAIサービスを提供するには、自社のデータセンターにユーザー1人当たり最低1個のAI専用チップが必要になると述べている。すなわち、数十億個のチップが必要だということだ。専門家もこの考えに同調している。非営利のAI研究機関であるアレン人工知能研究所(AI2)のアリ・ファルハディCEOは、AIが、今後担うと期待されている全てのタスクを引き継ぐなら、世界は現在の従来型マイクロチップと同じ数のAIマイクロチップが必要になると話す。