保育士の努力ではなく、安全を「仕組み化」しているか
園選びで何よりも重視すべきは、「安全」です。昨今、保育園における事故が多発しています。こども家庭庁によると2024年度の保育関連施設における事故件数は3190件で、過去最多でした。死亡事故は3件。2537件が骨折でした。事故件数(死亡事故除く)を施設別にみると、認可保育所が1448件。次いで学童保育761件、幼保連携型認定こども園が617件でした。
こんなにも事故が多いのかと驚いた親御さんもいることでしょう。しかし残念ながら保育の現場では、どれだけ注意を払っても事故を「ゼロ」にすることは難しいのです。だからこそ安全に対して「気を付ける」といった保育士の努力ではなく、「どのように仕組み化しているか」が問われます。
国の配置基準から考えても、園児全員の一挙手一投足を保育士が常に見守り続けることは正直、不可能です。法律上の解釈としても、実のところ保育士にそこまでは求められていません。つまり事故やケガは、保育士の目の届かないところで起きる可能性が十分にあります。
この前提に立って何をすべきか。保育士の目を補助・補完する役割としても今の時代、施設内の「見守りカメラ」があると安心できます。
園の見学時に、「もし先生たちが見ていないところで、子どもがケガをした場合はどのように確認されるんですか?」と尋ねてみてください。この時、「先生が見守っているとは思うのですが……」といった物腰で聞くのがポイントです。
「保育士が注意して見ています」に回答が終始するようだと、正直その園はNGです。繰り返しますが、事故はどれだけ気を付けても起きてしまうものなのです。先生が注意して見ているだけでは、無策と同じです。
一方で、「死角を少なくするためにカメラでも見守っています」「事故発生時の報告体制を定めています」と具体的に説明できる園は、安全対策を保育士の努力に頼るのではなく、仕組み化ができています。重要なのは事故が起きた時に原因を確認・検証し、再発を防止する仕組みがあるかどうかです。







