さらに質問するなら、「送り迎え時に混雑しがちな園内の導線はどうなっていますか」「外部の不審者を防ぐ門扉の施錠はどうなっていますか」「園外活動時の人数確認はどうしていますか」なども聞いてみましょう。

 園全体でルールが共有され、どの保育士でも同じ対応を取れるか。保育士が情報を共有できる体制が整っているか。こうした基本に忠実で明確な仕組みを持つ園は、安全面以外でもきちんとした運営ができているケースが多いです。すなわち、信頼できる園と言えるでしょう。

重大事故を起こす前のヒヤリハットに気づけるか

 事故につながる手前の出来事を、ヒヤリハットといいます。子どもは予想外の行動を取るものです。とても小さなブロックやオモチャのパーツを、ふいに鼻の穴に入れてしまい、取ろうとしてさらに奥まで入り込むなんてこと、親御さんなら「あるある」とうなずかれると思います。大人からすると「なんでそんなことするの!?」とビックリしますよね。

 保育園の事故のニュースが出ると、世間は「なぜそんなことが起きるの?」と不思議がり、「特別に質の低い保育園だったんだ」と決めつけがちです。しかし事故とは、非常に些細かつ起こりがちな失敗が重なった結果であることが往々にしてあります。

 大切なことは、小さな危険に「気づく」ことができるかどうか。これが事故を未然に防ぐファーストステップです。ヒヤリハットはその最初の「気づき」です。

 保育士への質問は、「保育園って大変ですよね。私自身も子どものやることってワケが分からなくて…...」「子どもたちが大勢いると、ヒヤリとすることって、どんなことがあるんですか?」などと、探りを入れてみるのがいいでしょう。