スマホを見る大学生の男女写真はイメージです Photo:PIXTA

SNSに慣れ、多様性を重んじる“進んだ世代”として語られる「Z世代」。なかには「世代でくくるのはナンセンス」という言説もあるが、本当にそうなのだろうか。経営学者・舟津昌平氏が、さまざまな角度から現代のZ世代論について考察する。※本稿は、舟津昌平『若者恐怖症――職場のあらたな病理』(祥伝社)一部を抜粋・編集したものです。

当たり前のように使っているけれど
本当にZ世代なんているのだろうか

 令和になってZ世代という言葉が流行っている。なにやら未知の宇宙人が襲来したような気配を感じさせる言葉だ。グーグル検索で「Z世代 特徴」で調べると、AIが次のようにまとめてくれる。

 Z世代には、次のような特徴があります。
・デジタルネイティブで、スマホやSNSを日常的に使用している
・社会問題や環境問題への関心が高い
・多様性や包容力を重視している
・自己表現への関心が高い
・コスパやタイパを重視している
・オープンでフラットなコミュニケーションを好む
・自分の意思を大切にする
・情報処理速度が速い
・物事に正解を求めるリアリスト
・多様性を受け入れる気持ちが強い

 うむ、なんか凄そうだ。若者の先進性をうたう言説は、聞かない日がないくらい令和の世に飛び交う。ただ本当かと問われると疑義も生じる。実感と合致するところもあれば、偏見でしょ、とか、人によるだろ、としか言えない特徴もある。

 以前、とある方と話していたときのこと。前職を定年退職されたくらいの年の方だ。「Z世代ってどういう人たちなんですか」と問われ説明すると、苦笑いしながら答える。