バナナスキムミルクジュースを
朝に飲むのが最強、ホットミルクもOK

 トリプトファンは、牛乳やチーズ、大豆製品、豚肉などに含まれている。もちろんそれらを朝に食べてもいいのだが、管理栄養士の堀知佐子氏(老舗料亭「菊乃井」常務取締役)は「バナナスキムミルクジュース」を一押しする。

「トリプトファンを含む食品の中でも、スキムミルク(脱脂粉乳)は粉になっていますから、濃縮された量が入っているのでお勧めです。また、セロトニンを含む神経伝達物質を放出する際にビタミンB6も欠かせません。

 ビタミンB6が豊富なものとしてはカツオ、マグロなどもありますが、私はバナナがいいと思います。バナナにはビタミンB6だけでなく、いわゆる善玉菌のエサとなるオリゴ糖、血糖値の上昇を抑える食物繊維も含まれ、エネルギー源にもなるので朝食にぴったりです。お手製で二つを合わせたバナナスキムミルクジュースが最強でしょう」

 コンビニでトリプトファンが多い豆乳を買い、そこにバナナをスプーンの裏でつぶしながら入れてもいい。「バナナ豆乳」である。堀氏はそこにヨーグルトやきなこを加えてアレンジすることもあるとか。ヨーグルトにもトリプトファンが、きなこには食物繊維が含まれている。

 それではトリプトファンが多いという「牛乳(ホットミルク)」を「朝に飲む」のはどうか。もちろんOKだ。また冒頭では「就寝前にホットミルクを飲む」のは熟睡につながらないと述べたが、別の利点がある。

「夜の空腹時はカルシウムの吸収率が最も高いです。ホットミルク、つまり牛乳にはカルシウムが豊富ですから、神経の興奮を抑え、心を安定させるという面で良い影響があるでしょう」(望月氏)

リラックスと抗疲労効果を生み出す
「だしスープ」

 さらに望月氏がリラックス効果という点で勧めるのが「だしスープ」。かつお節に含まれるイノシン酸、昆布に含まれるグルタミン酸は満足感を高め、脳に働きかける作用があることが報告されている。

「お湯にだしパックや顆粒のだしの素を入れたり、昆布を入れたりするだけで手軽にだしスープができます! 継続的なだし摂取は、精神的疲労やストレス状態を改善する報告や、副交感神経を上昇させる作用によって、リラックスと抗疲労効果を生み出す可能性も示されています。リラックス状態、つまり副交感神経が優位になれば、心拍数や血圧が低下して体が休息モードに入り、眠気も訪れるでしょう」(同)