背中レベル「黄信号」までは
エクササイズで治療可能
先ほどの佐藤さんと寺田さんのケースのように、同じ年齢でも必ず個人差が生じることを忘れてはいけません。
脊柱後弯とひと口にいっても、その状態は十人十色です。すぐに改善できるレベルの人もいれば、手術をしなければならないレベルの人もいます。
80代、90代でも背筋がピンと伸びている人はいますし、その一方で、50代、60代でも背中が丸まりかけている人もいます。
さらには、椎体骨折や骨粗しょう症の有無によっても、脊柱後弯が起こる年齢やその度合いは異なります。
これらを、一律同じに扱うわけにはいきません。あなたの今の「背中レベル」によって、求められる対策は変わってくるからです。
背中レベルを測る医学的に明確な基準は確立されていないので、私が独自の基準を設けました。
レベルは次の3つで、信号機の色に倣っています。
◆背中レベル【グリーン】
→背中の丸まりはなし、もしくは軽度。現状維持でも大きな問題はないが、将来を見据えた予防対策として、“老い出し体操”(編集部注/著者が考案した体操。背中が丸まる要因となる、代償筋を重点的に強化する)をはじめとするメソッドを実践することを推奨。
◆背中レベル【イエロー】
→背中の丸まりは中度。そのままにしておくと重度に移行し、健康被害のリスク増加と、それにともなう健康寿命の短縮をまねく可能性があるので、ただちに“老い出し体操”をはじめとするメソッドを実践することを推奨。同時に医療機関を受診するのがベター。
◆背中レベル【レッド】
→背中の丸まりは重度。残念ながらメソッドでは改善が望めず、すぐに医療機関を受診する必要あり。手術も視野に入れつつ、専門医に相談して治療に臨むことが求められる。
まずは、「自分がどの背中レベルに該当するのか」を把握してください。下の「背中の丸まりチェックシート」を使えば、簡単に判定することができます。そのうえで、進むべき“道”を歩んでいきましょう。








