時間のないアポであればなおさら、
相手のことをじっくり聞く

川田 後輩と一緒に営業に行って、このやりとりを見せると「川田さんは聞き出すのが上手ですね」と言われてしまいます。

編集部 あれ、違うのですか?

川田 チューニングですよ。

編集部 チューニング? あれ?(意味がわからなくなり不安に)

川田 目の前にいるお客さまが、一番求めてる情報を提供してるつもりなんです。
お客さまの求めるもの、欲しいものに、自分を合わせていくんです。
そうすると、「相手は僕の商品の話なんて聞きたいわけではない」って気づくんです。

編集部 えぇ、そうなのですか。

川田 もっと言えば、僕が信用できる人間かどうかもわからない。

編集部 たしかに。あ、ごめんなさい…。

川田 そういう意味で言うと、目の前のお客さまが一番興味を持っていて、
「あ、この人の話は面白いな」って、「この人の話は価値があるな」って思ってもらうことが大事なんです。

だから、本にも書きました「相手の頭とチューニング」をして、
今このお客さまの関心事は「従業員たちの仕事に対するモチベーションを上げることだ」と思い、
そういう話をしたのです。

編集部 チューニングって急がば回れの発想ですね。
そろそろ商品の話をして、と、時間がなくなってあせってしまいそう。

川田 せっかくアポイントをいただいて、ひょっとすると二度と会えないかもしれない相手です。
そんなお客さまに対して、「あと20分しかない」と思ったら、資料も何もお渡しせずに、ノートだけ出してヒアリングしかないと思います。

編集部 共感できるお話ですね。これは後で本を読んで復習せねば。
お客さまとの時間をどう過ごすか。逆算して考えると、チューニングであり、ヒアリングなのですね。

次回は、営業マンが陥りがちな「お客さまのために、やってしまいがちなこと」について伺います。
トップ営業は、お客さまの言うことを聞かない!? その真相はいかに。
お楽しみに。(次回は6月26日更新予定です)


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