商品説明でも、事情聴取でもない。
本当の意味での「聞く力」とは?
編集部 失礼ながら、いきなりそんな話からですか? あ、わかりました!
そうやって、さりげなく自社アピールをしようという狙いですか?
川田 後輩に同じことを言われたことがあります。商品説明の延長ですねとか。まったく違います。
編集部 違うんですか!
川田 そういう従業員向けのイベントの話をすれば、経営者の方だと「なるほど、そうやって社員を巻き込んでいるんだ」などと話を聞いてくれます。
経営者の関心事が「どうやって社員のモチベーションを上げられるか」だったりすると、こういう話はヒントになるんです。
「聞く力」といっても、いきなり事情聴取のようにあれこれ聞き出すのは失礼ですので、会社を見渡しながら、経営者の方の関心事は何かを考えながら話をします。
編集部 そんなことをしていたら、あっという間に商談の時間がなくなってしまいそうです。
川田 そうなったら次回ゆっくり経営者の方の保険について伺えばいい。次のアポをいただいて、そこからヒアリングです。
編集部 なるほど、ついあせって本題に移ってしまいそうですが、まずは「相手の関心事」に合わせるということですね。
川田 僕はそれを「チューニング」と言っています。
編集部 書籍『かばんはハンカチの上に置きなさい』にも『僕は明日もお客さまに会いにいく。』にも、違うケースで描かれていますね。
あのように商談がイメージできるリアルなお話だと、チューニングもわかりやすいと思いました。