「嫌われたのかも」「怒らせたかも」……。想像して不安になると、それ自体が大きなストレスとなる。人間関係のトラブルをはじめ、ネガティブな出来事を考えすぎてしまう人におすすめなのが『瞬間ストレスリセット――科学的に「脳がラクになる」75の方法』(ジェニファー・L・タイツ著、久山葉子訳)だ。本書はストレスを抱えやすい人のために、科学的に実証された不安・不満を解消する方法、自分をリセットして気持ちよく過ごせる方法を多数紹介している。「シンプルなのに効果抜群」「ストレスが尋常じゃなかったので助かった」「すぐに使える方法がたくさん載っている」など絶賛レビューが多数寄せられている。本記事では、ネガティブな妄想から抜け出せる方法について本書を引用しながら紹介する。(構成/小川晶子)
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「嫌われたのかも…」と思うと、ネガティブ沼から抜け出せなくなる
友人に久しぶりにメッセージをしたら、素っ気ない返事しか返ってこなかった。
そんなとき「忙しいのかな」「タイミングが悪かったのかな」と思うか、「え? 私、何か悪いことした?」と思うかでその日の気分はまったく違うものになる。
「私は嫌われているのではないか」などと考え始めると、「そういえばあのときも……」と過去のあれこれを引っ張り出して、ますます嫌な気分へとハマりこんでしまう。
これらは本当のことかどうかわからない。実際は単に忙しくてアッサリした返答しかできなかっただけかもしれない。自分だってそういうときがある。
冷静になってみればわかるのに、嫌な気分にはまりこむと抜け出すのが大変なのだ。
「現実」でも「妄想」でも、脳にとっては同じストレス
『瞬間ストレスリセット』には、ストレス評価・調査研究所を率いる心理学者ジョージ・スラビッチのこんな言葉が紹介されていた。
――『瞬間ストレスリセット――科学的に「脳がラクになる」75の方法』(p.91)
現実には単に友人が忙しかっただけであっても、「私を嫌っているからあえて冷たい返信をしてきたに違いない。以前に私がこういう失敗をしたことを根に持って、うんぬんかんぬん」という想像だけで、現実のことと同じようにストレスを感じ、人生に影響を及ぼすということである。
必要以上にネガティブな受け止め方をして、妄想にハマりこむのは損でしかない。
ハマりそうになったらすぐに気づいて立て直す術がほしい。



