学習能力バツグン
クマ界一の知性派
ヒグマの魅力は、「大きくて強い」だけではありません。近年の観察記録からは、知性や柔軟な発想力を備えていることがわかっています。
たとえば、岩の下にエサがあるのを発見し、それを前足で器用に転がして取り出す固体もいれば、ドアやクーラーボックスのしくみを理解して開けてしまう個体も。さらには、石をいくつも積み上げて踏み台のように使おうとする行動も確認されました。これは、道具を使うという知的行動の初歩です。
実際、ヒグマの脳容積はクマ科のなかでも大きく、その分、記憶力や学習能力も高いと考えられています。
「見た目は猛獣、中身は知恵者」―そんなギャップも、ヒグマを語るうえで欠かせない魅力のひとつでしょう。
胸にある月の輪模様がトレードマークツキノワグマ
小さな体に潜むポテンシャルの高さ
ツキノワグマは、日本を代表するクマの一種。深い森を静かに歩き、実を食べ、ときには高い木の上で休む姿が見られます。ヒグマほどは大きくなく、その分、動きが軽やかで繊細。日本の四季とともに生きる野生動物です。
ツキノワグマは、西アジアから東アジアにかけて広く分布しています。日本では、亜種のニホンツキノワグマが本州、四国の山林に暮らしています。
体は控えめなサイズで、オスでも体重はおよそ100~150kg程度です。とはいえ、その身軽さから運動能力が高く、木登りを得意としています。木の上でのんびり休んだり、枝先まで登って木の実を食べたりと、非常に器用です。
最大の特徴は、胸もとに浮かぶ白い模様。三日月のような形から「月の輪」と呼ばれ、この模様こそが名前の由来です。形や濃さには個体差があり、なかには模様のない個体もいます。
英語では「ムーン・ベア(Moon bear)」という愛称でも親しまれており、特に海外の保護団体やメディアでは、この神秘的な名前で呼ばれることが多くあります。








