「写ルンです」や古いiPhoneの写真が「エモい」

 スマホやプリントシール機での撮影以外にも、若者は様々な機器を使って自分たちを撮影しています。

 レンズ付きフィルム「写ルンです」の人気がリバイバルしていることは、ご存じの方も多いかもしれません。「写ルンです」は購入してすぐ撮影できる使い捨てカメラとして、1980年代後半から人気となりました。やがてコンパクトデジタルカメラやカメラ付き携帯電話の普及により需要が低くなりましたが、最近は「写ルンです」のフィルムならではの色合いや画質が「エモい」(ノスタルジックに心が揺さぶられる)と人気になっています。

「写ルンです」の現像のための専用アプリ「写ルンです」は現像のための専用アプリをリリースしました(出所:富士フイルム)

「エモい」写真を撮るために、あえて古いiPhoneで撮影することも流行っています。フラッシュをたき、画質を粗く撮影すると、写ルンですのようなフィルム撮影の味わいがある写真が撮れます。アプリでも似たような加工はできますが、それとは違う偶然の産物を楽しむ気持ちもあるのでしょう。

 若者に人気の旅行先・韓国に行くと、4枚連続撮影や、高い位置からの撮影ができるプリントシール機があります。連続写真は日本の証明写真機と少し雰囲気が似ています。また、同じく韓国で人気の「レシート写真機」も少しずつ日本に入ってきています。レシート写真機とは撮ったその場で写真がプリントされて出てくる機械で、レシートのような薄い紙にモノクロで印刷されます。最近はファーストフード店に置かれていたり、結婚式に設置されたりしています。画質が粗く、レトロな味わいに魅力があるようです。

韓国ハンバーガーチェーン「マムズタッチ渋谷」に置かれているレシート写真機韓国ハンバーガーチェーン「マムズタッチ渋谷」に置かれているレシート写真機(筆者撮影)

 スマホやプリントシール機の登場により、写真はぐっと身近なものになりました。「中学時代を振り返ると加工された写真しか残っていない」と嘆いている男子高校生の意見がネットで話題になったこともありましたが、加工にも流行があるため、思い出のひとつになると思います。貴重な青春時代をさまざまな形で写真や動画に残してほしいと思います。