さらに、自分のキャッチコピーを考えておくのも良い方法だ。少し意外性を含んだフレーズにすると、さらに記憶に残りやすい。

 たとえば、こんなフレーズを試してみてはどうだろう?

「お客様回りよりデータ分析が大好きな営業担当です」

「デスクにじっとしているのが苦手な編集長です」

 特に転職や新しいプロジェクトに挑戦したいとき、この「タグ付け」は非常に重要になる。

 自分がどんな人間で、どのような価値を提供できるのか――これを一言で伝えられる準備が、ネットワークを広げる鍵となるのだ。

人脈づくりの土台は
約束を絶対に守ること

 浅く広いネットワークが重要なのは確かだ。だが、それだけでは十分ではない。

 本当に価値あるチャンスをもたらしてくれるのは、そのネットワークの中で君を「信頼」する人がいてこそだ。

 では、どうすれば「信頼」を得られるのか?答えはシンプルだ。

「約束を絶対に破らない」こと。

 フットワークの軽さや広い興味関心は、ビジネスチャンスを狙うための「銃」にたとえられるだろう。

 だが、その銃に込める「弾丸」がなければ、いくら銃を構えても意味がない。この弾丸に相当するものこそ「信頼」だ。

 銃(行動力)と弾丸(信頼性)の両方があって初めて、君のネットワークは「本物の武器」となる。

 だから、どんなに些細な約束でも決して破らないようにしよう。それが君の信頼を築き上げる基盤となり、結果としてチャンスを手にする鍵となるからだ。

転職はゴールではなく
手段の1つにすぎない

 キャリアについて語る最後に、転職について僕の本音を話そう。

 結論から言えば、転職は「してもいいし、しなくてもいい」。どちらも選択肢としてアリだ。

 なぜなら、転職は目的ではなく、手段のひとつに過ぎないからだ。

 重要なのは、君が何を求めているのか――それを明確にすることだ。

 手段は必ず複数存在する。転職だけが答えではないし、転職を視野に入れないのもリスクだ。

 もし、君の選択肢に転職がまったくないとしたら、それは視野が狭くなっているのか、外の世界への恐れが強すぎる可能性がある。

 逆に、転職しか選択肢がないと感じているなら、それは君がかなり追い詰められているサインだ。そんなときは、重大な決断をせずに一度立ち止まって、冷静に状況を見つめ直してほしい。