「メジャーリーグ球団のオーナーになる」の夢が一転、ビズリーチ創業の転機になった「悪魔」とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

フットサル場の管理人から、一転して転職サイト「ビズリーチ」を立ち上げた南壮一郎。採用業界の慣行に反して求職者側に課金をうながす独自のモデルを導入し、日本の人材ビジネスを一変させた人物だ。斬新な発想の裏にあったのは、幼少期の夢を大切にして試練を糧に変えていく“ヒーローズ・ジャーニー”という生き方だった。※本稿は、妹尾輝男『成長の書』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。

物語の主人公のように生きる
ヒーローズ・ジャーニー

 君自身、自分の人生を壮大なストーリーだと思ったことがあるだろうか?

 そのストーリーの構造を解き明かした人物がいる。アメリカの神話学者、ジョセフ・キャンベルだ。

 彼は世界中の神話を研究する中で、英雄の物語には共通するパターンがあることを発見した。その理由は、人間の潜在意識が文化や民族を超えて共通しているからだという。そして、これらの物語の型を「ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)」と名付けた。

 ヒーローズ・ジャーニーは、以下の8つの要素から成り立つ。

(1)Calling(天命)
主人公は、平凡な日常の中で突如「天命」を受ける。

(2)Commitment(旅の始まり)
運命を受け入れ、未知の世界へ旅立つ。

(3)Threshold(境界線)
日常と非日常を分ける境界線を越え、新しい世界に足を踏み入れる。

(4)Guardians(メンター)
知恵や力を授ける守護者や賢者との出会いが主人公を支える。

(5)Demon(悪魔)
化け物や悪魔と対峙し、試練を乗り越える。

(6)Transformation(変容)
試練を経て主人公は成長し、内面的に変化する。

(7)Mission completed(任務完了)
ついに困難を克服し、使命を果たす。

(8)Return home(故郷へ帰る)
故郷へ戻り、新たな日常を迎える。