只:その通りです。荷室の使い勝手というのは、やっぱりこういうSUVを選ぶお客様にとっては大きな価値の一つです。そこはちゃんと使う人の目線で設計しようよ、という意識でやっています。開口部の広さは先代でもこだわってやった部分です。評判も良かった。だから今回もそこは譲れない要素としてデザインに力を入れました。使い勝手は犠牲にしない。でも車体の剛性は絶対に確保する。そうやって造ってきました。我々スバルとしては、やっぱり「クルマは使ってナンボ」だと思っているので。そこは譲れません。
F:クルマは使ってナンボ。いいお言葉です。只木さんは相当ゴルフをやられるんですね。
只:いえ。やらないんですよ、実は(笑)。
F:やらないんだ(笑)。
只:はい。個人の趣味を反映しているわけではないので。でも実際にフォレスターでゴルフに行かれる方はとても多いです。ですからキャディバッグが4つ積める、というのは選んでいただけるとても大きな要素です。
私はもともと内装設計の出身で、過去にレガシィのセダンの設計にも携わったことがあるのですが、当時はセダンのトランクにもキャディバッグが4つ積めるように設計しました。あれは5代目だったかな。やっぱり当時からずっと、4個積みのニーズがあるんですね。どこかに集合して、4人分積めるクルマ1台に集まって、全員分の荷物を積んでゴルフ場に行って帰ってきて、またそこでそれぞれのクルマに乗って解散、という。
F:それ、大黒PAとかで問題になっているやつ……。
只:まあ、クルマの置き場所の問題はありますが。キャディバッグをキッチリ積めるというのは、やはり非常に大切なんです。
硬めのシートは長距離乗っても疲れにくい
F:内装といえばシート。このシートの硬さが実に良かったです。他のクルマと比べると、かなり硬めのシートですよね。
只:気付いていただきましたか。あの硬さがちょうど良い具合だと思います。柔らかいシートは、乗った瞬間は良いのですが、長距離長時間乗ると結構しんどいんですよね。やはりウチは、長距離移動の多いアメリカで、かなりの台数が出ているクルマですから、シートはすごく大切です。その辺りの乗り心地にはずいぶん力を入れました。
実はこのフォレスターと、少し前に出たクロストレックから、シートの骨格を新しくしています。シート刷新のポイントの一つとして、「腰の骨をしっかり支える」というのがあります。腰の骨がしっかり支えられると、頭の動きが収まります。頭の動きが収まると、不快感と不安定感がなくなります。骨格でしっかり支えた上で、ウレタンパッドで硬さとホールド性を調整しています。
新型フォレスターのシート(広報写真)







