いつも本当のことを言う「正直者」と、いつも嘘をつく「嘘つき」。彼らが登場するこの形式は「正直者と嘘つきのクイズ」とも呼ばれ、さまざまな類問が存在します。
今回は最もシンプルで、難易度はかなりやさしいレベル。小学生でも解けるためヒントはありません。
1人ずつ順を追って、発言とその特徴に注目していきましょう。
かき消されたAの発言
正直者か嘘つきかわからない3人。
そして、それぞれの発言。
これだけのヒントをもとに、真実を導いていかなくてはいけません。
ただ、ここで悩ましいのが、最初のAの発言、
“まずAが「私は……」と自分の正体を答えたが、ちょうど通った電車の音にかき消されて聞き取れなかった。”
ヒントになりそうな発言は、残念ながら文明の利器にかき消されていきました。
しかたありません。
次に進みましょう。
Bの発言からわかることは?
“B「Aは自分は嘘つきじゃないと言った。Aは嘘つきじゃないし、僕も嘘つきじゃないよ」”
さあ、ここからが本題です。
このBの発言について考察していきましょう。
まずは、Aの発言に関する部分から。
“Aは自分は嘘つきじゃないと言った”
このBの発言は本当でしょうか? 嘘でしょうか?
……そうですね、どちらもありえます。
Aが嘘つきなら、当然嘘をついて「自分は嘘つきじゃない」と言います。
Aが正直者なら、「自分は嘘つきじゃない」と真実を言います。
どちらにしても同じなので、この時点ではAの正体はわかりません。
Bの発言から見えた真実
ここまではなんのヒントもない……わけではありません。
いま、Aが嘘つきだった場合と、正直者だった場合の発言を確認しましたが、どちらも「自分は嘘つきじゃない」でしたね。
つまりAは、嘘つきであれ正直者であれ、「自分は嘘つきじゃない」としか言えません。
ということは、
Bの「Aは自分は嘘つきじゃないと言った」という発言は真実です。
なので、Bは嘘つきではありません。
それはつまり、
“「Aは嘘つきじゃないし、僕も嘘つきじゃないよ」”
という発言も真実だということ。
ということで、Aも嘘つきではありません。
Cの正体は?
最後に、残ったCについて。
Cはこう発言しています。
“C「Bは嘘つきだよ。僕は嘘つきじゃないけどね」”
AもBも嘘つきではないと判明しています。
つまり、Cのこの発言は嘘であり、Cは嘘つきです。
<正解>
嘘つきはC
「思考」のまとめ
Aの発言は聞こえていなかったけど、論理的に考えると、Aの発言は1つに絞られる。ちゃんと考えることで、見えていない真実にも気づけると教えてくれる良い問題でした。
むしろ、目で見えていない真実を見つけるために、論理的思考というものがあるのでしょう。現実では「必要な情報がぜんぶ出そろってる」なんてこと、ほとんど起こりませんから。
頭の体操にもなる、ちょうどいい問題でしたね!
・「論理的思考」があれば、目の前にない真実も見抜ける
・複数の情報を組み合わせることで、見えてくる真実がある
(本稿は、『もっと!! 頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』から一部抜粋した内容です。書籍では同様の「読むだけで賢くなる問題」を多数紹介しています)
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「論理的思考問題」とは何か?
論理的思考問題とは、知識や計算を必要とせず、「考える力」さえあれば正解を導ける問題を指します。
たとえば、こんな問題です。
Q:あなたが乗っているエレベーターで、1階から5階まで行くには5秒かかる。では、1階から25階まで行くには何秒かかる?
簡単に思えるかもしれませんが、答えは「25秒」ではありません。
Q:深さ30メートルの井戸に落ちてしまった。1時間で3メートル登れるが、その直後に2メートルずり落ちてしまう。何時間で脱出できる?
なんとなく「30時間かな?」と、直感に頼った人もいるかもしれませんが、答えは「30時間」ではありません。
Q:食パンを2枚並べて焼けるフライパンがある。パンの片面は30秒で焼き上がる。このフライパンで3枚の食パンを両面とも焼くには、最短で何秒が必要?
「2枚の両面を焼いてから3枚目を片面ずつ焼くから、2分?」と考えたくなってしまいますが、答えは「2分」ではありません。
直感で考えると、間違えてしまう。
いっけん、解くのは不可能に見える。
でも、ちゃんと考えると答えがわかる。
それが、論理的思考問題です。
本書は全世界から5000以上の論理的思考問題を収集し、「本当に面白い」問題だけを厳選して紹介しています。読むことで、おのずと「地頭力」が高まる一冊です。たとえ解けなくても、解説を読んで理解するだけで「頭のいい人の思考回路」が構築されていきます。
「もっともらしい正解」が溢れる時代、「ちゃんと考える力」こそ、一生モノの武器になります。
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■著者プロフィール
野村裕之(のむら・ひろゆき)
都内上場企業のWebマーケター論理的思考問題を紹介する国内有数のブログ「明日は未来だ!」運営者。ブログの最高月間PVは70万超。解説のわかりやすさに定評があり、多くの企業、教育機関、テレビ局などから「ブログの内容を使わせてほしい」と連絡を受ける。29歳までフリーター生活をしていたが、同ブログがきっかけとなり広告代理店に入社。論理的思考問題で培った思考力を駆使してWebマーケティングを展開し、1日のWeb広告収入として当時は前例のなかった粗利1500万円を達成するなど活躍。3年間で個人利益1億円を上げた後、フリーランスとなり、企業のデジタル集客、市場分析、ターゲット設定、広告の制作や運用、セミナー主催など、マーケティング全般を支援する。2023年に現在の会社に入社。Webマーケティングに加えて新規事業開発にも携わりながら、成果を出している。著書に『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』がある。