『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別な経歴や夢がなかった“普通の就活生”である著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分に合った就活メソッドを築き上げ、食品大手を含む22社から内定を獲得した実体験をもとにした一冊です。
「自己PRで話せることがない」「インターンに参加していない」――そんな学生でも、自分らしさを武器にチャンスをつかめる。就活に不安を抱く学生と、そっと背中を押したい保護者に読んでほしい、等身大の就活戦略本です。今回は、地方の私立大学から一流企業に受かる人の共通点について著者である藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。

新卒 就活Photo: Adobe Stock

知名度のある大学の方が有利?

大学3年の春、僕は就職活動で東京に出てきました。説明会や面接のたびに、周囲には早稲田や慶應、明治、上智といった大学の学生ばかり。偏差値50の愛知県の私立大学出身の僕は、正直なところ、少し気後れしていました。

「やっぱり知名度のある大学のほうが内定だって取りやすいんだろうな」
そう思い込んでいたんです。

でも、就活が終わってみると気づきました。地方の大学からでも、堂々と大手企業の内定をつかむ人は確実にいる。しかも、そういう人たちには明確な3つの共通点がありました。

情報格差を自力で埋めにいく人

地方の大学にいると、東京の学生に比べて圧倒的に情報が入りにくいことを実感します。企業説明会も限られていますし、OB・OG訪問も探しづらい。
でも、内定を勝ち取る人はそこをどうにかして克服しようとします。

例えば、オンラインの就活セミナーに積極的に参加したり、SNSで現役社員の発信を追いかけたり。東京や大阪など、都市部の学生と大手企業の物理的な距離の近さを、デジタルの力で補っているんです。この「自分から動く力」が、学歴の差よりも大きな差を生みます。

思い立ったらすぐに動ける人

地方大学から一流企業に内定する人は、準備の速さが圧倒的です。ここでいう準備の速さとは、思い立ったらすぐに行動に移せることを指します。

就活を始める時期は早ければ早いほどいいです。そう聞くと、11月に入った今は、早期選考も始まっているし、冬インターンの募集も始まっているし、大丈夫なのかと疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、今から始めたら十分早いです。

ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)など、普段の生活の中から少しずつ思ったことをメモするといいでしょう。「準備の早さ=就活の地力」といっても過言ではありません。

言葉に感情がこもっている人

同じアルバイト経験でも、伝え方ひとつで印象はまるで違います。
地方大から内定を勝ち取る学生は、自分の言葉で語れる力を磨いています。

面接で「どんな工夫をしたの?」「何を学んだの?」と問われたときに、用意していた回答を棒読みするのではなく、自分の経験に即して感情を乗せて語れると、面接官の説得力も段違いですよ。

学歴の差はたったの100m

もちろん、学歴フィルターがゼロとは言いません。ただし、大学名による差は想像よりずっと小さいのです。
もし就活を1000m走にたとえるなら、都市部の有名大学の出身者との差は、たった100mほどしかありません。

一方で、面接の受け答えを磨き、エントリーシートを丁寧に書くことで、どんな人でも300mから500mは前に進みます。学歴の差はあっという間に追い抜けます。

難関大学に入るには、何年もの受験勉強や塾代がかかります。けれど就活は、半年~1年の努力でその100mの差を覆せるのです。

勉強が苦手で、有名大学に行けなかった僕が思うのは、就活ほど努力が報われる場はないということです。人生の中で最も費用対効果の高い「逆転のチャンス」なんです。

1000m走の例えを出してしまったので、就活が競争のように感じてしまったかもしれませんが、そうではありません。

自分にとって、どんな会社、どんな仕事が合うのかを考え、自分に合う会社に入社することが大切です。

これから就活に励む、すべての就活生のことを、心から応援しています。

(本記事は『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』に関連する書き下ろしです