見かけのPERにだまされるな!「低PER株」のワナと見抜き方
ゴールドマン・サックスに入社し、マネージング・ディレクターに就任、アジアのトレーディングチームを率いた。その後、200兆円超の運用残高を誇る世界有数の機関投資家・ゆうちょ銀行で投資戦略を牽引。そんなマーケットの最前線を知り尽くしたトレーダーが、個人投資家が一生使える「オルカン」「S&P500」の“次の投資術”を徹底指南した初の著書『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)。投資初心者でも実践できるよう、徹底的にわかりやすく投資手法を体系化。ゴールドマン・サックス仕込みの「投資思考」や「オルカン+4資産均等型」といった実践的なポートフォリオ(資産配分)の構築方法、有望な個別株の見つけ方まで、「オルカン」「S&P500」の“次に知るべき”ノウハウが満載!
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最もメジャーな指標「PER」で割安度を測る
最もメジャーで単純な株価指標ともいえる「PERによる比較」を簡単に解説してみましょう。
PERは「Price Earnings Ratio」の略で、日本語では「株価収益率」と呼ばれます。もう少しかみ砕くと、PERはいわば「1株利益の何年分の株価がついているか」を示す指標であり、一般的にPERの数値が大きいほど株価は割高、小さいほど割安と判断されます。
会社の「稼ぐ力」から株価を計算してみる
この指標は、株価が1株当たりの純利益(EPS:Earnings Per Share)の何倍になっているかを示しているので、次のようにPERとEPSを掛け合わせることで、株価を計算できます。
なお、この算式の両方の辺に「発行済み株式数」を掛けると、企業の時価総額を求める算式に変換できます。
一般的に、会社は進行年度においてどれくらい売り上げ、どれくらいの利益を上げるのかを「会社計画」として各会計年度の初めに公表します。
「EPS(1株利益)」はどうやって知る?
会社によって、EPSを公表する場合もあれば、EPSは出さず会社計画の利益だけを公表する場合もありますが、その場合も計画が示す純利益を発行済み株式数で割るとEPSを把握できます。
投資家必須の情報収集ツール
これらの数値を含めた企業の大まかな株式情報は、金融ポータルサイト「Yahoo!ファイナンス」や株式情報サイト「株探」、金融メディア「ブルームバーグ」などでも調べられます。
ちなみに私は情報が見やすいので「株探」をよく参考にしています。



