ビジネス本に書いてある「ありきたりなアドバイス」をめちゃくちゃ効果的な指針に変えたい。
そんなあなたに薦めたいのが、全世界45言語に翻訳され、世界500万部を突破しているベストセラー『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』(ジョン・ストレルキー 著/鹿田昌美 訳)だ。「何度読んでもハッとする」と話題の一冊から、おすすめの名言について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

ビジネス本に書いてある「ありきたりなアドバイス」をめちゃくちゃ効果的な指針に変える方法とは?Photo: Adobe Stock

「当たり前」だと片づけた瞬間、学びは止まる

 ビジネス本を開くと、似たフレーズに出会います。

「目的を持て」「問いを立てろ」……。

 読んだ瞬間は正しいと感じるのに、翌日には元通り
 なぜか?
 それは多くの人が、言葉を「情報」として読み流しているからです

 看板のスローガンを眺めるように、「当たり前」と受け止めた時点で、学びは止まります。

「あなたはなぜここにいるのか?」が刺さらない理由

 象徴的なのが、「あなたはなぜここにいるのか?」という問い。

 耳慣れた表現ですが、他人行儀なままでは心の深部に届きません。

『世界の果てのカフェ』という本には、問いの効かせ方を逆転させるヒントが示されています。

なんの変哲もない、単純な質問に見えるでしょ?
だけど、その質問のほんの数文字を変えるだけで、状況が変わるのよ。
誰かに聞く質問を、自分に問いかける質問に変えたら……もはや同じ人間ではいられないの
最初の質問を読んでみて。
ただし、通りすがりに看板をちらっと見るように、さりげなく読んでほしいの

――世界の果てのカフェ』(第7章)より

「あなた」を「自分」に置き換えるだけで、視点は観客席から舞台上へ。
 課題は、「あの人の問題」から「自分の決断」になります

ありきたりを「自分事」に変換する技術

 言葉の「主語」を切り替えると、問いは身体化します。

自分はなぜここにいるのか?」と本気で問うと、仕事の優先順位、人との関わり、時間の使い方が再配置されます。

 ここで大切なのは、軽々しく答えを出さないこと

軽く受け止められる質問じゃないわよね。
ちらっと見るだけならかまわない。
だけど、しっかりと見つめて、吟味して、本気で自分ごととして捉えると……あなたの世界が変わるの

――世界の果てのカフェ』(第7章)より

「看板読み」から抜け出し、毎朝、毎タスクの前にこの問いを置く。

 迷ったら問いに戻る。
 そうして初めて、同じ言葉が行動を変える「力」になります

「看板」から「羅針盤」へ

 ビジネス本のアドバイスが効かないのは、陳腐だからではありません。

 自分の文脈に翻訳していないからです

「あなたはなぜここにいるのか?」を「自分はなぜここにいるのか?」へ。

 主語を入れ替え、毎日の選択に結びつけた瞬間、言葉は看板から羅針盤に変わります。

 今日の一歩を決めるのは、他人の正解ではなく、あなたの「問い」なのです

(本稿は、『世界の果てのカフェ』の発売を記念したオリジナル記事です)