「やりたいこと? 特にないっすね」と言ってくる生意気な若手に教えてあげたい。
そんなあなたに薦めたいのが、全世界45言語に翻訳され、世界500万部を突破しているベストセラー『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』(ジョン・ストレルキー 著/鹿田昌美 訳)だ。「何度読んでもハッとする」と話題の一冊から、おすすめの名言について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「やりたいこと? 特にないっすね」と言ってくる生意気な若手に教えてあげたい名言とは?Photo: Adobe Stock

「やりたいこと、ある?」

 若手社員に「やりたいことある?」と聞くと、「特にないです」と即答される。

 そんな場面が増えています。

 上司としてはガッカリです。

 せっかくチャンスを与えたいのに、本人が動かない
 何かに挑戦して失敗することより、最初から何もしないことを選ぶ

 そんな「受け身型の優秀さ」が職場を静かに蝕んでいます

 もちろん、彼らなりに理由はあるでしょう。

 正解が見えない時代だからこそ、「これがやりたい」と言い切るのが怖い
 SNSで発言すれば叩かれる
 努力しても報われない

 そんな「冷めた合理性」が、夢を語る勇気を奪っているのです。

 でも、「やりたいことがない」のではなく、「やりたいことを見つけるための問い」がないだけなのかもしれません

「やる気」が生まれる瞬間

世界の果てのカフェ』という本では、主人公が「問い」を通して人生の目的を見出していきます。

 その核心を示す一節がこちらです。

問いかけることで、答えを探そうという意欲がわいてくるの
答えを見つけたら、同じように強烈な意欲がわいてくる。
つまり、自分がなぜここにいるのか、なぜ存在するのかという、生きている理由を知ってしまうと、人はその理由を満たしたいと願うようになる

たとえるなら、宝の地図の×印を見ているようなもの
×の場所を知ってしまえば、宝を無視するのは難しくなる。
追いかけずにはいられなくなる。
自分がなぜここにいるかがわかれば、その目的を満たさないでいるのは、感情的にも肉体的にも難しくなるのよ

――『世界の果てのカフェ』(第9章)より

 この言葉が教えてくれるのは、やりたいことは「外」から与えられるものではないということ。
 それは、「問い」によって内側から掘り起こすものです。

まだ宝の地図を持っていないだけ

「やりたいことがない」と言う若手を責めるよりも、まず「地図」を手渡してあげるべきです

 その地図とは、「自分はなぜここにいるのか?」という問い。
 この質問に本気で向き合った瞬間、人は変わります。

 目的を知ってしまえば、行動せずにはいられなくなる――それが人間の本能です。

 上司や先輩の役割は、答えを教えることではなく、「問いを渡す」ことなのかもしれません
 それが、自分で動ける人材を育てる一番の方法です。

問いを持つ人だけが、動き出す

「やりたいこと? 特にないですね」と言う若手には、こう返しましょう。
じゃあ、自分はなぜここにいるんだろう?

 この問いを一週間、考えてみてごらん。

 やりたいことは、外の世界に落ちている宝ではなく、自分の中に眠っている「×印」です
 その場所を見つけるのは、いつだって「問い」から始まるのです。

(本稿は、『世界の果てのカフェ』の発売を記念したオリジナル記事です)