投資のヒントは「本業」と「日常」にあり

シゲルさんが売買した「武蔵精密工業」について、自動車販売店に勤める主人公が「デフ(差動装置)がいい」と専門的な知識を披露する印象的な場面がありました。

これは、個人投資家にとって非常に重要な「学び」を含んでいます。

「好き」こそが最強の分析ツール

シゲルさんが「好きなもんがある。それはええことや」と述べた通り、自分の仕事や趣味で得た知識は、株式投資において何よりの強みとなります。

主人公は「腐ってもプロ」として、その部品が持つ価値や技術力を肌感覚で理解していました。多くの投資家が財務諸表やチャートだけを追う中で、こうした現場の「生きた情報」は、銘柄の将来性を見抜く上で大きな優位性となるのです。

「自分の得意分野」で勝負する

皆さんも、ご自身の仕事や日常生活を振り返ってみてください。

「自社製品の品質は確かだ」「取引先のあの技術はすごい」「毎日使っているこのサービスは、他社にはない魅力がある」――。

そうした自分の仕事に関連する専門家ならではの視点や、趣味・愛好家など消費者としての実感こそが、有望な成長企業を見つけ出す第一歩です。

株式投資は、自分の「得意分野」から始める。それが、情報に振り回されない賢明な投資家への近道です。

※本稿は、『89歳、現役トレーダー 大富豪シゲルさんの教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。