これは、民放キー局のことを言っているのだと思いますが、民放キー局の場合、NHKよりもずっと採用人数が少なく、その分就職活動での競争も熾烈です。また、民放キー局の平均年収は、日本の上場企業の中でも最上位に位置していましたし、「内定=宝くじ当選」に例えられるのもあながち誇張ではなかったのでしょう。とりわけ、番組制作に関わる部署の人気は高かったはずです。
年々速度が増していく下落ぶり
テレビ局の就職市場から見る
では今、就職先としてのテレビ局の人気はどうなっているのでしょうか。
企業の就職先としての人気度を測る資料の1つに、「就職人気企業ランキング」があります。出版社や就職情報サービス会社が、学生を対象にアンケートをとり、企業の人気度をランキング化したものです。
ここでは、東洋経済新報社の「就職四季報総合版」(2015年版~2026/2027年版)に掲載されているランキングを元に、テレビ局の就職人気度の移り変わりを見てみましょう。
図3-1を見てください。この表は、2014年卒から2025年卒までの学生の人気ランキング(総合)を元に、上位100位以内に入ったテレビ局を、一覧で示したものです。
同書より転載 拡大画像表示
まず2014年卒を見ると、14位のNHKを筆頭に、民放各社もキー局のほとんどが名を連ねています。50位以内に限ってみても、NHKのほか、フジテレビ、日本テレビと3社がランクインしており、テレビ局の人気がとても高かったことが分かります。
このあと時間が経つにつれ、テレビ局の順位は大きく変動していきます。年を追うごとに順位は下がり、2017年卒、2018年卒の調査では、辛うじてNHKだけが50位圏内に入りました。とはいえ、この時点では民放数社も100位圏内に入っていました。
ところが、その後もテレビ業界の人気下落は止まらず、2019年卒のランキングでは、トップのNHKでも66位に後退し、すべてのテレビ局が50位圏内から消えてしまいました。







