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「テレビ局に入れば人生安泰」。そんな時代は過去のものとなった。就職人気ランキングで、かつて上位を独占していたテレビ各社が、いまや軒並み圏外へ。元NHKアナウンサーの今道琢也氏が、テレビ業界から若者の心が離れた理由を探る。※本稿は、今道琢也『テレビが終わる日』(新潮社)の一部を抜粋・編集したものです。
昔の就職内定は宝くじ当選と同等
今やテレビ局はランキング圏外に
私が学生だった頃、テレビ局は就職先として人気がありました。私の周りでもテレビ局にエントリーシートを送っている人がたくさんいましたし、採用試験の会場では、学内の顔見知りを何人も見かけました。
驚いたのは、海外で知り合った学生が、NHKの筆記試験の会場に2人もいたことです。以前、アメリカに語学研修に行った際、現地にいた日本人学生と仲良くなったのですが、そのうちの2人がNHKの採用試験の会場にいて、偶然の再会となりました。このように、テレビ局の採用試験の会場に行けば、あちらにもこちらにも知り合いが見つかる、という状態でした。
かつて人気を博した就活本に、「業界別カイシャ・ミシュラン会社図鑑!」(ダイヤモンド社)があります。業界別に各社の社風や現役社員の本音をまとめたもので、企業のリアルな姿が分かる本として学生に支持されていました。
私が就職活動をしていたころの「業界別カイシャ・ミシュラン会社図鑑!’99地の巻」(オバタカズユキ・石原壮一郎著 ダイヤモンド社)を見ると、テレビ局のページには、
「就職内定という宝くじに当たれば日本一の給料とりになれる!!」
という見出しが躍っています。







