何も言っていないに等しいように聞こえますが、ちゃんと意見を言っている体を保てます。角も立ちません。その秘訣は、相手の意志も尊重することを示す「C」を提案しているという部分にあります。言われたほうは、自分が選べているという感覚を持つことができます。これこそが究極的に丸い言い方なのです。

無風の人から学べる
一流のコミュニケーション

 この無風の人から学べることは、物事を進めやすくするためには、提案事項をイエスかノーでしか答えられない形で相手に投げるのは二流だということです。一流の人は必ず選択肢、つまりCをくっつけて投げています。

 アサーティブコミュニケーションは、元々は緊張する場面での交渉術として、リーダーが会社間で重役と交渉するときや、各国の首脳が外交で交渉するときに使われる高度なコミュニケーション手法です。

 そんな高度な内容の話はしないから関係ないと思われるかもしれませんが、そのフレームワークを応用すれば、実にさまざまな場面で、ある程度まで、自分の希望する方向にものごとを進めることさえ可能です。

 自己主張をしながらも、ひとつだけではなく、選択肢を提示する話し方――それは結局どんな場合にも通用する一流のコミュニケーションだと言えるでしょう。

話し方で即バレ!会議で意見して「嫌われる人」と「嫌われない人」の決定的な違い