ひたすら「行動にまつわる思考」だけをする

人間は、行動すると不安が減るようにできています。なぜなら、動いているからです。人は、行動が止まっている時に考え事をしやすく、その時にネガティブになりがちです。

ですから、「何をするか(もしくは、何をしないか)」を考え、また次の考え事が始まったら「次に何をするか(しないか)」を考える。

このように、ひたすら「行動にまつわる思考」だけをしていくと、精神的にかなり楽になります。

具体例:不安を「行動」に置き換える

例えば、将来のことが漠然と不安になったとしましょう。「老後はどうなるんだろう」「健康はいつまで続くだろうか」といった考え事です。

これは、ただの「考え事」ですから、これを「じゃあ、何をするか」という思考に置き換えます。

「健康が不安だ。一番心配なのは食生活かもしれない。最近、飲み会が週3回と多いな。これではダメだ」
→(行動を考える)→「飲み会は月に1回にしよう」

こう決めたら、それを実行します。もし、それでもまたくよくよと考え始めたら、

「じゃあ、他に何をしようかな」
→(行動を考える)→「朝、散歩でもしてみようか」

このように、すべてを「何をするか」に置き換えていくのです。

「考え事」が「プラン」に変わる

この方法を実践すると、どうなるでしょうか。今まであなたを悩ませていたネガティブな「考え事」が、「プラン(計画)」に変わるのです。

ただ考えているだけだとネガティブな思考に陥りがちですが、「行動に関して」考えると、それは「自分の次のプランは何にしよう」という、前向きな思考に変わります。

「次のプラン」を考えるのは、少し楽しそうだと思いませんか。旅行のプランを立てる時、ワクワクする感覚と似ています。

考え事が始まりそうになったら、「じゃあ、そのために何をするか」を考え、それをプランとして実行してみる。もし結果が出なくても、また次のプランを立てれば良いのです。

人生がまるで「旅」のように、あるいは「自分ワンダーランド」というテーマパークを歩いているような感覚になっていきます。このように、思考を「行動に関してする(何をするかを思考する)」という形に落とし込んでいくと、人は嫌な考え事から解放されます。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。