英語の発音はいまいちでも…
堂々と話す姿がトランプ似!?

 ただし、スピーチというものは内容だけでは評価できません。パフォーマンスとして見ると、どうでしょうか? 高市首相はスクリプトをあたかも自分の言葉のように感情を込めて、堂々とハッキリとした態度で読み上げました。

 声の大きさやトーン、スピードも適切だったと思います。つまり、下を向いて台本を棒読みするようなスピーチではありませんでした。目の前にいる各国首脳に対して視線を投げかけ、語り掛けるように話したのは、歴代の首相とは大きく違う点だったと言えるでしょう。

 SNSでは、「イントネーションが完全にジャパニーズイングリッシュ」「不自然」などと批判的なコメントも見受けられます。確かに、発音やアクセントは流ちょうとは言い難く、課題があるのは事実です。

 しかし、自分の伝えたいメッセージを、自信を持って話すことの方がコミュニケーションとしては大事なことだと私は思います。海外でも賞賛されたのは、英語力というよりも高市首相の想いと度胸が注目されたからではないでしょうか。

 ちなみにあるテレビ番組で、この英語スピーチの感想を求められたアメリカ人の有識者が、「話し方がトランプに似ていると思う」と率直に指摘したのも興味深いなと思いました。

日米首脳が公式会談前に
ドジャースの試合を観た狙いとは

 そのトランプ大統領との日米首脳会談でも、高市氏は物怖じしない態度で明るく社交的に振舞う姿を世間に印象付けました。会談直前、高市首相は開始時間が遅れた理由を記者に問われると、「トランプ大統領の部屋で野球を観ておりました。1対0でドジャースが勝っています」と笑顔で回答し、その場の雰囲気が一気に和やかになりました。