反対した父、
娘に論破される
『戦場で笑う――砲声響くウクライナで兵士は寿司をほおばり、老婆たちは談笑する』(横田 徹、朝日新聞出版)
もし自分の子ども、特に娘が“戦場に行きたい”と言い出したら、多くの親が考え直すように説得するだろう。私も同じ状況ならば複雑な気持ちになるに違いない。
「俺はソフィアに戦場に行かないでほしいと伝えた。これからますますこの国には善良で賢い者が必要になる。アメリカやカナダの大学で学んで、戦後、国の再建を担う存在になってほしいと。するとソフィアは『私はその道には進まない。私は戦争という問題に真剣に取り組んできたパパとママのようになりたいと思ってきた。それなのに私を安全な第三国に送ってパパとママは戦場に行くの?』と言われ、娘に良いお手本を示さなかったことに責任を感じたよ。
『パパとママにずっと憧れて生きてきたのに、二人のようになってはいけないってどういうこと?二人の人生は間違っていたの?』とまで言われてね。ソフィアは自分の人生を勝ち取ったんだ」
ボグダンは娘に論破されてしまったのだった。







