ここであなたが考えなければいけないのは、相手が「言えない理由」です。
先ほどの3つのステップでいえば、①で止まっているのか、②ができないのかによって対応が変わりますね。
相手が自分の考えをまとめられない時
相手が自分でも何を感じているか・何を言いたいかわからない時は、リーダーから「こんなことだったりする?」と例を出してあげなければいけません。こちらから例を出すことで、相手はそれと比較して考えられるようになります。
「今日のご飯何がいい?」と聞かれて、ぱっと思いつかない時もあるでしょう。そういう時に、「何でもいいから希望を言って」と問われてもなかなか出てきません。
「何でも言って」と言われるより、「焼き魚はどう?」と例を出された方が考えやすいです。「焼き魚は?」と問われると、「あ、魚の気分じゃなくて、ハンバーグがいいな」と自分の頭の中が整理できる。
相手が考えていることを当てる必要はありません。単に相手が考えやすくなるようにしているだけなので、あなたが出す例が仮に的外れであっても問題ありません。とにかく何でもいいから例を出してあげましょう。
相手が話をまとめられない時
相手は自分の考えがあります。しかしそれを他人に説明しようとすると、どこから話していいかわからず、まとまらないことがあります。そういう時に「は? 何が言いたいの?」と言うのは当然NGです。相手が話をまとめられないのであれば、そのサポートをしてあげましょう。
とはいえ、相手の話をまとめるのは簡単ではありません。そこで大事なのが「数」です。相手は何個のことを話そうとしているでしょうか? 相手が重要なポイントとして考えている数を聞いてください。
「いろいろ混乱してしまっているみたいですが、今回相談したいポイントはいくつありそうでしょうか?」と問いかけます。
そうすると、相手は自分の話を俯瞰して見られるようになり、話をまとめて考えられるようになります。
傾聴とは「聞くこと」ではなく「引き出してあげること・まとめてあげること」です。そう捉え直すことで、ぼくらの傾聴スキルは格段に上がっていきます。







