「誠実な人」と「口だけの人」を一発で見抜くシンプルな着眼点
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誠実な人の見分け方
今日は「誠実な人の見分け方」というテーマでお話しします。このテーマは非常に人気があり、時々取り上げています。
「誠実」といってもいろんな捉え方があります。まずは私のいう「誠実」の定義をについてお話ししようと思います。この「誠実」の定義は、辞書に載っているものとは少し違うかもしれません。
私が考える「誠実な人」とは、「言動が一致している人」のこと。なぜこの定義を重視するかといいますと、世の中には大きく分けて2つのパターンの人がいるからです。
❷言ったことは絶対に守りたいと思う人
言ったことを守る気がない、あるいは守る気のないことを平気で口にする人。これは「不誠実な人」です。つまり、その人の言葉には信用がありません。
一方で、言ったことはなるべく守ろうと心がけている人、ほとんど守っている人、あるいは「できないことは言わない」と決めている人。こういう人たちだけを見ていると、誰が誠実なのかが比較的わかりやすくなります。
口ではなんとでも言えます。そして、口ではなんとでも言えることを理解したうえで、それを(自分を良く見せるために)駆使している人は、不誠実であるということです。
誠実さを見分ける練習
最近の例で分かりやすいと感じたのは「政治家」です(あまり政治的な話はしたくないのですが、あくまで「誠実さの見分け方」の例としてお聞きください)。
政治家はアピールが上手で、彼らが言っていること自体は、たいてい「良いこと」。「ぜひ実現してほしい」と思うような内容です(中には例外的な人もいますが、たいていは良いことを言います)。
しかし、「では、その人たちが何をしているか?」を調べてみると、結構わかってくることがあります。
「ぜんぜん法案を通していない」「毎回言っているだけで、実際にその分野を担当したことがない」「◯◯を重視したいと言いながら、知名度ばかり高く、言動がチグハグな候補者を擁立する」…などです。
別に政治家を批判したいわけではありませんが、「誠実かどうかを見分けるための練習」として、政治家の言動を観察するのは良い訓練になるかもしれないと個人的には思います。
身近な例:サービス運営会社の比較
身の回りの人やサービスを見ていても、この「言動の一致」で誠実かどうかは分かります。例えば、ベンチャー企業などが運営するプラットフォーム(サービス)を利用しているとします。
利用者としては「いろんな機能があったほうがいい」と思いますよね。運営側が「みんなの意見を聞きたい」「ユーザーファーストで優先したい」と言ったとします。では、その言葉通りにユーザーを優先する行動を取っているかというと、実際には「何も改良されない」「むしろ改悪されている」「全くコミュニケーションを取らない」という場合があります。
これでは「不誠実だな」と感じてしまうわけです。一方で、特に大きなアピールはしないけれども、「これは役に立つだろう」という改善をどんどん進めていくプラットフォームもあります(私はさまざまな媒体で配信しているので、そこの違いがよく分かります)。
後者の会社は「こういうのをやります」と先に言うのではなく、「こういうのができました」と実行したことだけを報告しています。言動一致どころか「やったことしか言っていない」わけです。こういう会社は「誠実だな」と感じます。
アピールばかりするけれど何も進んでいないところと、黙々と実行して結果を出すところ。この違いは、非常に分かりやすいと思います。



