クリエイターがやりたい仕事を創造する

――坂上:御社の業績を確認すると、過去3年間の売上は順に141億、157億、190億円。経常利益は3億、7億、10億円、経常利益率は2.1%、4.6%、5.7%となっています。着実に成長されていますね。

井川:そうですね。当社が行っているエージェンシー事業というのは、今まで世の中に無かった分野です。ですから、新規のマーケットをどんどん開拓している感覚を持っており、既存のものと比較して業績がどうなのか、などは全く考えていません。ただ日々の業務の中から、この分野におけるニーズは非常に大きいと感じていますので、現状ではまだまだ不十分だと思っています。

――坂上:では、御社がこの分野でNo.1になることができた理由、ポイントを教えてください。

井川:実は、No.1を目指して業務を行ったわけではないんですね。元々なかったサービスから、当社は「プロフェッショナルの生涯価値の向上」という理念を中心軸に据え、すべてのサービスを考えています。クリエイターの方々は、自分だけで仕事を行うことに対して常に限界を感じています。当社と一緒に仕事をすることで、自分がやりたい仕事ができ、将来に向けて付加価値が上がる。そう思ってもらえるようなサービスを提供したことで、多くのクリエイターが集まり、結果的に5万人のクリエイターと、1,000社のプロダクションの方々が集うようになりました。

――坂上:「プロフェッショナルの生涯価値の向上」とは、具体的にどのような事柄を指すのでしょうか。

井川:クリエイターが仕事に求めることは、いくつかの段階があります。第一段階はそもそも仕事があるかどうか。仕事が無ければプロとは言えませんから。第二段階は、仕事が安定的にあるかどうか。第三段階は、自分のやりたい仕事ができるかどうか。そして最後は自己実現ができるかどうか。自分の映画をつくりたいなど、ギャランティとは少し離れたところでの仕事ができるのか。このような段階を順番に上っていくことが、生涯価値の向上につながると思っています。

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 特に最後の段階の、クリエイター一人一人が夢に向かった仕事ができるサービスをいかに提供するか。このようなことを日々考えながら、事業計画を考えています。