介護の始まりは
「突然」か「ジワジワ」

 親が要介護未満の人にとって、介護のイメージは湧きにくいかもしれません。

 介護とは、家族の誰かがほかの誰かの生活を支える必要性が出てきたときに始まります。高齢や病気などが原因で、身体機能や認知機能が衰え始めると、動作や活動に支援が必要になります。その支援を家族や介護サービスが支えることを「介護」というのです。

 介護のスタートには一般的に「突然始まる」のと「ジワジワ始まる」の2つのパターンがあるようです。突然型は、転倒や病気によって入院する、動けなくなるなどして、いきなり介護が始まるケース。

 この場合、子どもたちには介護に対する心の準備もサポート態勢の準備もできていないので、心身ともに負担が大きくなります。親が元気な人ほど、いざという日に備えて準備しておきたいものです。

 ジワジワ型の代表は認知症です。病院にひとりで行けなくなる、買い物や料理ができなくなるなど、親の生活を少しずつサポートしていく必要に迫られてきます。

 いずれにしても、親の介護を家族だけで抱えるには限界があるもの。「もしかして介護?」と思ったら、早めに介護保険の申請や、地域包括支援センターに相談を

介護のサインを見逃さず
モノ・カネ・ココロの準備を

 介護のスタートには、明確なサインがあるわけではありません。親も子どもも「まだ大丈夫」と「そろそろ考えるべき」を繰り返しつつ、「いや、やっぱりもう無理!」と介護に突入することが多いようです。それはジワジワ型ばかりではなく、突然型も同じです。

 たとえば「親が転倒した!」のは突然のことかもしれませんが、それ以前に「足元が怪しい」「部屋が散らかっているな」という予兆はあったはずなのです。

 大事なのは「そろそろ介護スタート」というサインを見のがさないことです。

 下のリストを見て「あてはまる部分がけっこうある」と思うのであれば、介護の入り口にさしかかっています。今すぐにモノ・カネ・ココロの準備を始めましょう。