さらに、「経営者の生え抜き率」の国際比較(「事務局資料」経済産業省2021年)では、日本のCEOは内部昇格の割合が97%と突出して高く、また他企業での経験のないCEOの就任する割合が82%です。

 一方、他国の「就任したCEOの他企業での経験なし」は割合が低く、米国・カナダ6%。西欧14%。中国34%。その他先進国29%です。

 つまり、日本では社外経験のある経営者がきわめて少なく、同質性の高さがうかがえます。

日本流のマネジメントは
もう世界で通用しなくなった

 世界のトップクラスのビジネススクール・IMD(国際経営開発研究所)が発表する「IMD世界競争力ランキング」という国際比較があります。

 バブル時代には日本は総合評価1位を続けていましたが、1997年に急落してから下がり続けています。2024年には日本は67カ国中38位でした。

 昭和や平成のビジネスパーソンと比べて、おそらく一人ひとりの能力にそれほど差はないでしょう。とすると、人事が「個人の力を組織のパワーとして活かせていないのでは?」という日本企業の課題が浮かび上がってきます。

 このランキングにはカテゴリー・サブカテゴリー別の評価もあるのですが、最も注目すべきは「マネジメント慣行」が、日本は67カ国中65位とほぼ世界最低だということです。

 つまり、日本式のマネジメントはグローバルなビジネスでは通用しないのです。