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海外企業とのミーティングで、こちらはトップを出したのに、相手はマネージャーを寄越してきた…。こうした齟齬(そご)が起きるのは、日本企業における独特な肩書きと、役職の権限があいまいなことに起因する。グローバルで通用する世界基準の人事制度とは?※本稿は、人事コンサルタントの藤間美樹『経営に参画する世界基準の人事「戦略人事」が組織を根本から強くする』(現代書林)の一部を抜粋・編集したものです。
ガラパゴス化した
日本企業の役職
日本企業では、肩書きによる社内での上下以上に「タイトル(肩書き)」を重視します。ただし、それは「ジョブグレード(職務等級)」として、です。
日本企業の肩書きは各社各様です。ですから、それぞれの上下関係は同じ組織内では明快ですが、会社が違うと肩書きのポジションがわかりにくいこともあります。
転職の多い海外ではわかりやすさが重要です。
タイトルはほぼ世界共通で、「Vice President」「Director」「Manager」の大きく3つに分かれるのが一般的です。
さらに、それぞれ「Senior Director」や「Associate Director」のように、「Senior」「Associate」「Assistant」をつけてタイトルを細分化します。
海外のビジネスパーソンは、前職ではDirectorだったのに、転職してSenior Managerになったりすると降格と受け止めます。
同じ社内でも、仕事上の役割として、たとえばDirectorとSenior Directorは明確に違うという強烈な意識を持っています。
私が武田薬品に入社した頃、経営職のタイトルの構成は「部長」「シニアマネージャー」「主席部員」でした。
シニアマネージャ―のポジションの重みは、海外ではSenior Directorに相当していましたが、英語のタイトルは日本語をそのままSenior Managerにしていました。







