将来の可能性を求めている。だから、新しいビジネスがどんどん生まれてきます。
いま日本は、まさに新しい領域のビジネスに乗り出していく優秀な人財が求められていますが、その準備ができていません。
たとえ部長になっても
手取りはさほど変わらない
企業の一般的な課長・部長の年収を比べてみます。
同書より転載 拡大画像表示
日本、アメリカ、シンガポール、タイの4カ国で比較すると、日本企業の部長の年収はタイと比較しても約120万円少ないことがわかります。
課長の年収はタイよりやや優っていますが、部長になるとタイに抜かれます。
日本では優秀な人財に対して、役割が大きくなっても、適切な報酬が支払われていない現状を示しています。
昇進しても給料がそれほど上がらないのであれば、上に行こうという意欲もなくなります。日本では年収1800万円から所得税が40%に上がります。年収が2000万円を超えたぐらいでは手取りにそれほど違いは出ません。部長になっても2000万円以下ですから、昇進する魅力を感じない仕組みになっています。
日本特有のメンバーシップ型(終身雇用を前提とした新卒一括採用の雇用方式)の雇用形態により、転職が少ないこともこうした現実を反映しています。
私が藤沢薬品でアメリカ駐在になったときの人事部長は、大学教授もやっている結構なインテリで、転職経験が多い人でした。
あるとき、アメリカ人の平均的な転職回数を聞いたところ、「40年会社で働くとして、1つの会社での平均在籍年数が5年だから、転職回数は8回だ」と。







