※渋谷教育学園幕張中学校、通称「渋幕(しぶまく)」。1986年開校の中高一貫校。自由な校風の中、海外も含めた難関大学への合格実績が非常に高いことで知られる(2025年実績=東大:75名(うち現役62名)、京大:8名、東京科学大:18名、一橋大学:9名、医学部医学科:123名 (国公立48名、私立75名)など)
※御三家=男子御三家:開成・麻布・武蔵、女子御三家:桜蔭・女子学院・雙葉

 さらに、昨今では※午後受験を行う学校が激増しています。

※午後受験=午後に実施される入学試験。21世紀初頭頃に登場した午後受験は、当初は珍しいものであったが、現在では多くの学校で導入されている。受験生にとっては午前中の試験の後に別の学校を受験できるため、選択肢と受験機会が広がるというメリットがあり、学校側にとっても受験生の確保というメリットがある。

 今までは1月校を受けて、2月1日・2日・3日、そして4日以降を考えるにしても、出願数はせいぜい4~5校でした。しかし、そこに1月校も増えて、さらに午後入試まで含めると出願ベースで見れば、1人8校(回)くらいは出願している。そうなると、第1志望校はサクッと決まったとしても、第2志望校をどの学校にするのかが非常に難しくなってくるんです。

 また、試験の回数を増やして、一回あたりの募集を減らしている学校は競争率が上がりますから、結果的に偏差値が高くなる。

 特に午後入試の一部の学校は偏差値が跳ね上がります。実際、偏差値の数字が高い学校のほうがいい学校みたいな錯覚も生じますから、志望校にするかどうかを迷われるケースが多いのです。

――たくさんの学校を受験できるチャンスが逆に迷いを深めているというわけですか。

 そうです。交通網が発展しているので、以前は候補に挙がらなかった学校も通学範囲に入る。神奈川在住の子が千葉・埼玉の学校に通うことも可能ですし、逆もあり得ます。午後入試は1教科ないしは2教科の受験が中心で試験開始時間が遅い学校も多いので、多少距離のある午前入試校から移動しても間に合いますから、併願校は増える傾向があるんです。