例えば、「今ご契約いただければお値引きしますよ」というような値引き交渉が成立したとき、顧客は「安く購入できる」というコトを手に入れたくて、反対に自分は「今現在の確実な契約」を手に入れたいのです。
契約は得るものと失うものの
バランスで成り立っている
一方、失っているものもお互いにあります。
顧客は、契約書を締結したコトにより「今後懸念が発生した場合に取りやめる」という選択肢を失っています。自分は「値引きした分の金額」を失っています。
交渉は「お互い」が、「得るコト」と「失うコト」の大きさに折り合いをつけ、それであればメリットがあると認識したときに成立します。
顧客は、「取りやめる権利の価値」より「値引き分の金額の価値」のほうを高く評価し、自分は「値引き分の金額の価値」より「今契約を結んで取りやめにされないことの価値」を高く評価しているのです。
でも、値引き交渉をされたけど、値引きしなくても契約してもらえることってありますよね。
これも、先ほどの関係性で説明できます。
顧客は導入するコトに既に価値を感じており、「値引き分の金額の価値」が相対的に小さければ値引きなしでも導入されます。このような場合は、値引きはされなくても得たい価値を既に満たしており、値引きは得たい価値としてそこまで優先順位が高くありません。
さらに、自分は「今契約してもらう価値」より「値引き分の金額の価値」のほうが高いと思っているのであれば、「値引きをしてまで今契約してもらわなくてもいい」と考えるので、値引きがなくても契約されるのです。
交渉の場につく前に
失ってもいいリストを作る
自分と相手の双方にとって納得できる交渉をするためには3つのステップが必要です。
1.自分が交渉の結果として得たいコトが何なのかを明確にする
2.相手が何を考えているのかを理解する
3.どうすれば相手の心が動いて、自分の目的が達成できるか考える
まずは、交渉においては自分のゴールである目的を明確にします。







