【解説】絶望を凌駕する「愛」というエネルギー
医師として冷静に確率(死)を見つめながら、父として熱く生を渇望する。この壮絶な手記は、私たちに「命の使い道」を深く考えさせます。
「死んだほうがまし」と思うほどの治療の苦痛。それを乗り越えさせたのは、医学の力ではなく、娘さんたちへの愛でした。
人は自分のためだけには限界があっても、大切な誰かのためなら、限界を超えた力を発揮できる生き物です。私たちにとっても、家族や友人、守りたい存在こそが、人生の困難を乗り越える最強の免疫力になることを教えてくれます。
「未来」ではなく「今」を燃やし尽くす
私たちはつい「老後はこうしよう」「来年やろう」と、未来が確約されている前提で生きてしまいがちです。しかし、著者の目の前にあるのは「今」です。
可能性が低くてもあきらめない姿勢。それは奇跡を待つことではなく、残された時間の密度を極限まで高め、最期の一瞬まで父親として生き抜くという強固な意志の表れです。
背中で遺す「生き様」という財産
たとえ物理的にそばにいられなくなる日が来ても、困難に立ち向かい、決してあきらめなかった父親の姿は、娘さんたちの心に強烈な「生きる指針」として刻まれるはずです。
何を残すかではなく、どう生きたか。言葉以上の教育とは、親自身が懸命に生きる姿を見せることなのかもしれません。
※本稿は『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。









