デザートを提供するデビーCA男性CAのキビキビとしたサービスは筆者にとって新鮮な驚きだった Photo by Koji Kitajima

チューリッヒ直行便のビジネスクラス搭乗記をお届けする。スイス産チーズと高級チョコレートを含む絶品の機内食、ユニークなシート配置のメリットとデメリット、CAのホスピタリティとは?「お値段以上」の価値があるか、他社比較や筆者の主観も交えてレビューしよう。(航空ジャーナリスト 北島幸司)

SWISSのビジネスクラス搭乗
CAの「おもてなし」への評価は?

 日本とスイスを結ぶ唯一の直行便、スイス インターナショナル エアラインズ(通称SWISS)。前身はスイス航空で、現在はルフトハンザドイツ航空の子会社であり、航空連合はスターアライアンスに所属している。今回、スイス政府観光局の招待を受け、SWISSのビジネスクラスに乗る機会を得たので、シートや機内食、客室乗務員(CA)のサービスも含めて細部までリポートする。

 9月某日、成田空港第1ターミナルからチューリッヒ行きのLX161便に搭乗した。ビジネスクラスのキャビンへ進むと、席に案内してくれたのは男性CAだった。ANAやJALを愛用する日本人からすれば、男性CA自体が珍しい存在だろう。彼の仕事ぶりは、筆者にとって新鮮な驚きだった。

 デビーと名乗るCAは着席した筆者に、すぐさま「本日のフライトは旅行ですか、お仕事ですか」と聞いてきた。なんて踏み込んだ質問を……と思う人もいるかもしれない。しかしこれは、形だけの挨拶ではなく、乗客ひとりひとりの旅の目的を探ろうとする姿勢であろう。デビーCAは「私がSWISSセンスを感じていただけるよう、パーソナルなサービスを心がけます」といい、自信に満ちたスマイルを見せた。