あくまでテレビ番組とは別物という仕立てを明確にしたうえで、サブスク料金をプロダクションとしての安定収入源にする。その前提で今芸能人がやっているようなYouTube配信よりはずっとお金をかけて、独自にスタッフを雇い番組セットも制作して、お金をかけた有料チャンネルを開設するケースです。

 もうひとつシナリオとして考えられるのが、キャンセルカルチャーの中でテレビから姿を消したタレントの復活です。これは松本人志さんにも当てはまる話です。文春砲がさく裂して、その真偽が裁判で争われる中で「視聴者がキャンセルする」ということから松本さんは長期休養を余儀なくされていました。

 キャンセルカルチャーの性質上、地上波のスポンサー企業は松本さんのような立場のタレントを使いにくいものです。たとえ多数の視聴者が松本さんを見たいと思っても、仮に30%の視聴者がキャンセルしたいと考えた場合、スポンサーの広告宣伝効果としては松本さんの起用はマイナスに働きます。

 これがもっと大きな不祥事で、90%の視聴者が嫌悪感を示すようなタレントの場合、表舞台での復帰の道は極めて厳しくなります。誰もが見られる無料のYouTube配信ですら簡単には始められません。アンチからの批判が大量に押し寄せて、ふたたび炎上することは避けられないでしょうから。

 ところが大半の視聴者がキャンセルした人でも、推しが全人口の0.1%ほどいるような場合には有料チャンネルでの表舞台復帰はそのタレントにとって有効な活動の場になりえます。人口の0.1%、つまり10万人の推しが月額550円を払ってくれれば、番組制作資金は5000万円集まるのです。これが予測されるふたつめの可能性です。

 このふたつのシナリオをトータルして考えるとダウンタウンプラスの次に続いて大きなトレンドを作る可能性が一番あるのは元ジャニーズの有力者のうちの誰かないしはその複数による新ユニットによるトークチャンネルではないでしょうか。東山紀之さん、国分太一さん、手越祐也さん、赤西仁さんなどなど誰もが複雑な事情を背負ってはいるでしょうけれども、少なくとも私は、

「また会いたいな」

 と思っています。

 とはいえ会員数50万人を短期間に集めることができたダウンタウンプラスは、やはり特異点というべき経済現象なのだと思います。資金は潤沢ですからもうすぐ松本さんのコントも見られそうですね。これからの展開にも注目したいと思います。