松本人志さんダウンタウンプラスによって一挙に巨大サブスク経済圏を作り上げてしまったお笑い芸人の松本人志

「月収15万円」から一転、ダウンタウンの松本人志さんが月商5億円超の巨大サブスク経済圏を築き上げました。吉本興業の新サービス「DOWNTOWN+(ダウンタウンプラス)」は、なぜNetflixを凌ぐスピードで50万人の登録を獲得できたのか?単なるファンクラブではない、テレビの制作費構造を根底から覆す“脅威のビジネスモデル”とは。これは芸能界の革命か、それとも再現不可能な特異点か――。数字が語る、オールドメディア崩壊の序章に迫ります。(百年コンサルティングチーフエコノミスト 鈴木貴博)

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ネトフリ超える成長スピード
「緩い」番組の裏戦略

 吉本興業が立ち上げた有料配信サービス『ダウンタウンプラス』のサブスク会員数が開始20日で50万人を突破したことが話題です。

 ダウンタウンプラスは月額1100円という、普通の動画配信サービスと同じか、むしろ若干高い月額料金でのサブスクという条件での50万人を達成しました。いかに松本人志さんのコンテンツを見たい日本人が多かったのか、あらためてその存在感を見せつけた形です。

 念のため説明しておきますと、ダウンタウンプラスはダウンタウンのチャンネルですが、独自コンテンツは基本的に松本さんの配信番組でのチャンネル運営が始まっています。

 比較対象として世界の有料動画配信最大手といえるネットフリックスを取り上げると、2015年に日本でサービスを開始した当時のスタンダードプランの月額が950円で、会員数が300万人に到達したのが5年目の2019年でした。現在の会員数は1000万人を超えていて、一番安い広告付きプランが890円です。

 単純には比べられませんがそれでもダウンタウンプラスの勢いはたいしたものです。一方で圧倒的なクオリティのコンテンツを制作するネットフリックスに対して、ダウンタウンプラスのオリジナルコンテンツの布陣はややゆるい感じから始まりました。